磐梯火山がつくられた舞台裏

1.地球内部はゆで卵構造

地球は、内部を構成する物質の違いから、地殻・マントル・核の3つの層に分かれています。これはゆで卵に例えることができます。

このうち、卵の白身にあたるマントルは、固体ですが流動性があり、温度差による熱対流でゆっくり動いています。卵の殻に当たる地殻とマントルの最上部は、一体になって硬い殻のような性質を持ち、プレートと呼ばれています。地球表面はそれぞれが運動する十数枚のプレートで構成されています。

2.プレートの動きと火山・地震

日本列島付近には、地球でもまれな4つのプレートがせめぎ合っている地域です。このうち地球最大の太平洋プレートが、マントルの動きに引きずられて日本海溝で沈み込み、他のプレートとこすれ合って火山や地震の原因をつくります。

火山の原因となるマグマは、太平洋プレートの沈み込みにより海溝で取り込まれた水分が、日本列島の地下深くで岩石の融ける温度を下げるために発生します。マグマが浮力で上昇し、地表に出ると火山活動となります。

3.磐梯火山が誕生した位置

海溝で沈み込むプレートが一定の深さに達してからマグマができるため、海溝から一定距離(東北地方では水平距離で西に約300km)のところに列をつくって火山は分布します。これを火山フロント(前線)といい、奥羽山脈の火山がこれにあたります。磐梯山もその火山フロントにある火山の一つです。

◆コラム:いろいろな火山のタイプ