猪苗代湖北西岸の火山土地条件図猪苗代湖北西岸の火山土地条件図(国土地理院,2003)より

今から3~5万年前、噴火により磐梯火山の古い山体が大規模に崩れた。崩れた山体の体積は約4立法km(東京ドームおよそ3000杯分)と見積もられている。この崩壊により、大小の岩が水をほとんど含まない状態で流れ下った。これは「翁島岩なだれ」と呼ばれ、現在の磐梯山南西麓に広く流下し、一部は西方の会津盆地にまで達した。大きな岩石ブロックが粉砕されずに高速で流れ下り、それぞれが「流れ山」と呼ばれる丸い丘をたくさん作った。流れ山の直径は500mに達するものがある。

岩なだれと流れ山岩なだれと流れ山

JR磐梯町駅の南方300~400mに小さな丘があり、その中を線路が通り、線路の両側に大きな岩の塊が見られる。この丘が流れ山のひとつであり、流れ山の内部の岩石を観察することができる。大きな岩は安山岩の塊であり、かつて磐梯火山の山体を作っていた溶岩である。ここでは、安山岩の巨岩からなる岩塊相(がんかいそう)と、岩塊相の間に多種の岩片が混じった泥質の基地相が見られる。また、岩には、ジグソークラックと呼ばれるジグソーパズルのような割れ目が見られる。これらは岩なだれ堆積物に特徴的な形態である。

岩なだれ露頭岩なだれ露頭
ジグソークラックジグソークラック