驚くほど多様な環境と生き物たち

1.噴火で生まれた環境とそこで暮らす生き物たち

磐梯山の北側には、明治の岩なだれによって流れ山地形や多くの湖沼が誕生しました。そこでは、地形や水位などの違いによって、湖沼や川などの「水辺」、湿原やヨシ原などの「湿地」、ヤナギやハンノキなどが茂る「湿った林」、さらに流れ山にアカマツなどが根を下ろした「若い林」など、変化に富んだ植物の生育環境があります。噴火から百数十年という時間の流れの中で、植物群落の遷移(環境変化に応じ優占する植物のメンバーが変わっていくこと)も見ることができます。また、噴火の影響をまぬがれたブナを中心とした「安定した森」、磐梯山の南麓など古くから人間の活動でつくられた「農耕地」という環境もあります。

こうした多様な環境には、それぞれに適した多様な植物が根付き、それらの植物を好む多種の野鳥・昆虫・魚類・両生類・爬虫類・哺乳類などが暮らし、きわめて多くの種類の植物や動物が生育、生息する生態系が形成されています。磐梯山がもたらした大きなお宝のひとつです。

環境と生き物

2.独特の美しい景観

火山と湖沼群と生態系が織りなす変化に富んだ美しい景観も、磐梯山ジオパークの大きなお宝です。

磐梯山と桧原湖桧原湖と磐梯山
そばの花と磐梯山そばの花と磐梯山
猪苗代湖と磐梯山猪苗代湖と磐梯山

◆コラム:国立公園の役割

国立公園は、日本を代表する自然景観を国が指定し管理する公園です。この優れた自然を後の世代に引き継ぐため、国立公園を開発の波から守り、自然とのふれあいの場として誰もが利用できるようにすることが国立公園の目的です。磐梯山ジオパークを特徴づける地形・地質や動植物は、そのほとんどが磐梯朝日国立公園の中にあり、それらがつくりだす多様な自然環境や美しい景観がいつまでも守られているのです。

磐梯朝日国立公園