【ジオサイト紹介】猪苗代町の桜とジオサイト
みなさんこんにちは。
磐梯山周辺の桜は続々と開花が進みあっという間に猪苗代町も見ごろとなりました。
前回の磐梯町の記事に続き、猪苗代町の桜×ジオサイトをご紹介します。
磐椅神社:ジオサイトH-49磐椅神社・H-50大鹿桜
磐椅神社(いわはしじんじゃ)は西暦270年頃に磐梯明神として磐梯山頂に祀ったのが始まりとされ、729年に現在の場所に遷座されたと伝えられています。
10世紀のはじめに編さんされた延喜式神名帳に耶麻郡一座として記載され、延喜式内社として信仰を集めました。
磐椅神社には会津五桜のひとつ『大鹿桜』があります。
西暦947年(平安時代)、村上天皇の勅使が派遣された際に京都より移植されたという桜が“大鹿桜”で、花の色が白からしだいに鹿の毛の色に変化することからこの名前がついたといわれています。
今はまだ開花前のようで、見ごろはちょうどゴールデンウィーク中になるようです(^^)
また、大きな鳥居杉には『縁結び桜』も可憐な花を咲かせています。
現在に至るまで大切にされてきた社殿や境内、大鹿桜の姿から、連綿と受け継がれてきた信仰や想い、磐梯山とともに在り続けてきた歴史の深さが感じられます。
来月5月4日、5日(10:00~15:00ごろ)は大鹿桜まつりが開催され、春限定の御朱印や切り絵御朱印の頒布、“鎮守の杜の小さなお店”が開店するそうです。ぜひ訪れてみてください。
亀ヶ城跡:ジオサイトH-52亀ヶ城(公園)
亀ヶ城(猪苗代城)跡がある小丘は、磐梯山の峰のひとつ赤埴山の火山活動(20万~40万年前)で噴出した溶岩や火山灰でできた地形で、この地形を利用してできた平山城が亀ヶ城です。
亀ヶ城は幕末の戊辰戦争まで機能し、会津藩の東を守る支城として城代(城主のかわりに城を守る人)が置かれました。
桜の咲くこの時期は、小高い城跡に光り輝く桜色が目を引きます。
近くの“カメリーナ(猪苗代町総合体育館)みんなの広場”からは亀ヶ城跡を一望でき、子どもたちの笑い声と満開の桜の花に心が洗われます。
天鏡閣(てんきょうかく):ジオサイトI-61天鏡閣
これまでの純和風な場所から視点がかわりまして、明治の洋風建築『国指定重要文化財 天鏡閣』をご紹介します。
天鏡閣は明治40年に有栖川宮威仁(ありすがわのみやたけひと)親王殿下が猪苗代湖畔を巡遊された際、湖畔の風光明媚さを賞美され、この地に別邸を建設することを決定されました。建物はルネッサンス様式を基調とした洋風建築です。
名前は李白(りはく)の「明湖落天鏡」から、後の大正天皇である嘉仁(よしひと)親王殿下が命名されました。
天鏡閣は約5万年前の磐梯山の噴火による翁島岩なだれ(岩屑なだれ)堆積地形の上に建ち、木々の葉が生い茂る前の小高い敷地からは猪苗代湖と遠く磐梯山の山頂が望めます。
桜の花がほころびはじめた天鏡閣には、野鳥のさえずりが響きわたり、有栖川宮威仁親王殿下の銅像も芽吹きの季節に微笑んでいるように見えます(^^)
観音寺川の桜並木:ジオサイトJ-71観音寺
観音寺川の桜並木は地元の方々が大切に管理し、今や福島県の代表的な桜の名所のひとつとなりました。
川桁山の雪解け水が、桜の木々の間を流れて行く光景にたくさんの人々が「きれいだね」と笑顔も満開です(^^)
観音寺川沿いにある大山祇神社近くには磐梯山ジオパークの解説看板もありますので、ぜひご一読ください!
猪苗代町は磐梯山や川桁山などの山々に囲まれた山地でありながらも、裾野に広がる農地や広大な猪苗代湖の輝きに、『天空の盆地 猪苗代』と何かの本に書かれていたのを思い出しました。
ぜひ、この週末に地形などのジオパークな視点も交えつつ桜探訪に出かけてみてください(^^)/
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